竹を「倒す」達成感

ニガテな虫も大丈夫!

五十嵐圭さん 大学生

 

きっかけは友人の「竹切りに行かない?」



森林ボランティアに初めて参加するきっかけとはなんだろうか。「環境保全に興味がある」「自然や生き物が好き」。普通はそういう人が参加するものなのだろうと想像する。では、環境に全く興味もなく、生き物もニガテなインドア派の女の子がいたとしたら、一体どういう理由で参加したのだろうか?五十嵐さんは、まさにそのタイプだった。



五十嵐さんは、小さいころから虫や動物が苦手だったという。それに集団行動もあまりせず、引っ込み思案なタイプ。体を動かすのは好きだったけど、もちろん自分から森に飛び込んで森林ボランティアをするなんて思いもよらない生活を送ってきた。



普通の大学生活を送っていたある日、友人から誘われた。「竹を切りに行かない?めっちゃ楽しいよ」。



その時、五十嵐さんが思ったのは、「竹ってどうやって切るんだろう?興味ある!」ということだった。



それまで五十嵐さんはボランティアに参加したことなかった。震災ボランティアなどに興味はあったけど、参加するきっかけがなく、普通に大学生活生活を過ごしていたという。



五十嵐さんは、自分のことを「気分に乗ってるときはホンキ出すけど、そうじゃないときは全然やらないタイプ」と評する。そんな五十嵐さんの琴線に触れたのが何だったのか、これがきっかけで、森林ボランティアに関わるようになってくる。



 

こんな長いの倒してやったぜ!という達成感



初めて森林ボランティアに参加したのが約1年前。一回で終わらず、その後、特に竹切りボランティアに何度も参加してきた。そこまで竹切りにハマるのは、いったいどういう理由なのだろう。



「竹を倒したとき爽快感があるんです。「倒した~!!」っていう。一本倒すだけですごく達成感がある。こんな長いの倒してやったぜ、みたいな。」



目を輝かせながら、そう話す。とても面白い遊びを見つけたという風に。五十嵐さんは、「高い志でやってない」ことを強調する。純粋に楽しいから参加するし、楽しいから続けているという。



「のこぎりで切れ目を入れて、なたで三角に広げて、また反対側からのこぎりを入れます。そうすると、バターって倒れるんです。チェーンソーとか使わずに、全部手でやります。一本の竹に三人くらいでとりかかります。



ナタ入れは結構大変なんです。慣れないと、振動が手に来る。ガツーンって。なかなか入ってくれない。手にマメができるとかはありませんけど。」



竹切りの魅力について話す五十嵐さんは、目の前に竹が生えていて、それを切る。それをシンプルに楽しんでいる。


 

機械が使えたらカッコいいなって


 

 そんな感じで参加していた森林ボランティア、というか竹切りだが、今回の活動は少々毛色が異なる。今回はリーダー育成のための研修を兼ねたボランティア活動なのだ。自分はリーダーに向かないという五十嵐さん。どうして参加する気になったのか。

 


「ひとに教えるのは苦手です。感覚で動いているから、教えられないんです。だからリーダーになることに興味はなかったけど、芝刈り機やチェーンソーの使い方を教えてもらえるよって言われて興味が出て、参加しました。機械いじるの好きなんです。機械もって使えてたらカッコいいなって。」

 


リーダー研修では、単に竹を切るのではなくチェーンソーや刈払機の使い方やグループで活動するためのノウハウを学ぶというもの。一泊二日の合宿形態で、参加費もかかる。そういう負担があっても、楽しさが優先するのだという。

 


「環境保護活動と思って活動していないです。ボランティアとして、でもないです。遊びに来ている感じ。自然の中で、体を動かせる。知らない人ともすぐ仲良くなれるし。こういう活動って、つかれるし、泥だらけにもなるります。でも楽しい。泥だらけになっても洗えば落ちますし。」

 


ニガテな生き物については大丈夫なのだろうか?

 


「今でも虫は嫌いです。でも、作業中は大丈夫です。顔にとまるとギャーってなりますけど。裸足で田んぼも入れますし!これまではやったこと無かったことにたくさんチャレンジしています!」


 

たくましくなったね!小さい頃の彼女を知るひとなら、きっとそう言うだろう。